この世界を創った時、僕と君がそう決めたの。
君は忘れてるけどね。
だから、君が「お金が無い」って呟けば、「金欠病の君」を楽しむ為に、君の世界は創られる。
「裏切られる」って言葉にすれば、裏切られる世界が目の前にやってくる。
「誰も分かってくれない」って言い続けたら、君は孤独を味わうよ。
君の周りにあるものは全て、君が「それ」を楽しむ為だけに存在しているんだ。
全部が、君の為にあるものなんだ。
君を傷つけようとしているものなんて、ひとつもない。
でも、それもお終い!
この瞬間に、おしまーい!
あー、やっと言えた。
これをずーっと云いたくて、僕はウズウズしてたんだ。
今までは言えなかった。
だって、君が「絶対に言わないで!」って、あの時ぼくに言ったんだもん。
「全部が分かったミステリーなんてつまらない。犯人が分かっただけじゃなくて、犯行に使った手口まで、ぜーんぶ分かっちゃうようなものだから」って、君が僕に念を押したんだ。
それでね、君と僕は、大切な約束事をしていたんだ。
君は今、ここで僕の声を文字として聞いているでしょ?
でも、この話を打ち明けちゃいけない時には、僕の声は君に届かないようにしていたの。
その時が来るまでは、君もここへは来ていない。
僕の声が、君に届いた時。
君が、僕の声を受け取れるようになった時。
その時を合図にしようって、僕たちは決めていたんだ。
それが「ひとつ目の世界を創造し終えた時」
今なんだ。
君が今まで見ていた世界はね、君と僕とで創っていった「ひとつ目の世界」。
君が君として、思い切り悩めるようにって創った世界。
君が「悩みの種」を拾い集める世界だったんだ。
さあ、時は来たよ。
君が抱えているその悩み、そろそろココへ置いちゃおっか?!
………。
……っと、違う、違う!ちっがーう!
放り投げだすんじゃなくて、悩みをココに置くの!
もう。
全てを忘れてるんだから仕方ないけど、せっかく集めた「悩みの種」を捨てようとしないでよ!
気持ちは分かるけど、捨てちゃだめだって!
……あ、そうだった。
こんな時の為に、僕がいるんだった。
今の君は、人として世界を見ているんだったよね。
えっとね。
君は、外側に転がり続けるアレやコレのことで悩んでいたでしょ。
それで正解。それで良かったんだ。
「アレ」や「コレ」は、どこまでいっても「アレ」や「コレ」。
「アレ」や「コレ」が「イイ」「ワルイ」ってことじゃない。
君が「アレ」を「嫌だ」って思うから、それは悩みの種になる。
「コレ」は「ダメ」だって思うから、それも悩みの種になる。
それで全てがOKさ。
なのにさ、君は悩みを悩み過ぎて、何が悩みか分からなくなるまで悩み続けて、どんどん悩みだけを広げていった。
だからあの時、僕は君に聞いたんだ。
「この世界で君が体験したいことって、いっぱい悩み続けること?」ってさ。
この世界を創るときの君の目的と、今の君の目的が違っていたから。
僕、「あれ?おかしいな?」って、思ったんだ。
でも、もういいよね。
せっかく見つけたその種を、見続けて唸っているだけじゃ勿体ないんだもん。
だって、君が見つけたその種は、まだ君のものになっていない。
今の君のままだと拾えない。
君が抱え続けているその悩み。
それを「アレ」や「コレ」っていうモノなんだって、ただ認めることが出来た時、その種は君の種になる。
そのとき君は、その種を拾い上げて、君の中にポンッって置くことが出来るんだ。
でも、無理やり拾って置いたらダメだよ。
無理に認めようと頑張ったって、それは君が我慢しているってだけだもん。
せっかく拾ったその種に、否定的な栄養だけを注ぐことになっちゃうからさ。
それだとね、君の中に悩みの花が咲いちゃうんだ。
焦らなくていいよ。
ゆっくりで構わない。
君が拾う「悩みの種」が、いつ花を咲かせるかなんて決まってない。
どんな花を咲かせるのかも決まってない。
その種に、僕と君がどんな栄養を注いでいくかで決まるんだ。
君が笑って、僕がワクワクしていたら、きっと綺麗な花が咲くと思う。
それがね、僕たちがこれから創る「二つ目の世界」だよ。
君が集めまくった悩みの種が、これからどんな花を咲かせるか。
それを、僕と君とで創造して楽しむんだ。
それが、これからの君の世界だよ。
僕はね、ちょっと目立つ色合いで、すっごく大きな花かも……って、思ってる。
ねえ。君は、どう思う?
ピポ
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