鳥の巣みたいになったボサボサ頭で、洗面所へ行ったでしょ?
まず顔を洗って、歯磨きをして……って、身支度の段取りを考えながらさ。
まず顔を洗って、歯磨きをして……って、身支度の段取りを考えながらさ。
でも今朝は、君がいつも使っている電動歯ブラシが、いつもの場所に無かったんだ。
そこで、君は考えたよね。
「あれ。ない」って。
君は洗面台付近をキョロキョロと見回してさ、電動歯ブラシを探し始めたでしょ。
右を見て、左を見て。
でも、全然見つけられなくて時間だけが過ぎていった。
君、焦り始めたよね。
君、焦り始めたよね。
あの時、君は焦りながら、色々な選択肢を思い浮かべてたでしょ。
僕、ぜーんぶ知ってるよ。
「リステリンでグジュグジュ、ペッ、でいいか」とか、
「とりあえず、コンビニでフリスク買うか」とか。
歯磨きの意義を完全に無視した選択肢を思い浮かべてたよね。
……。
あの選択肢は……。
ちょっと無いと思うよ。
あの選択肢は……。
ちょっと無いと思うよ。
まあ、それはおいといて。
それでも君は、諦めずに歯ブラシを探し続けてた。
頭の中に、「電動歯ブラシの図」を思い浮かべながらね。
おかしいな。
なんで無いんだよ。
なんで無いんだよ。
無くなるはずないのに、って思いながらさ。
君は、君が思い浮かべている「電動歯ブラシの図」を頼りにして、鳥の巣頭を直しながらキョロキョロしてたじゃない?
それでも見つけられなかった。
それでも見つけられなかった。
だから君は仕方なく、あのおかしな選択肢の一つをチョイスして……。
……。
それは、まあいいや。
それは、まあいいや。
あのね。
あれ、実は僕がやったんだ。
けさ君が歯を磨けなかったのは、僕の仕業なの。
僕ね、君に知って欲しかったんだ。
君が望んでいる幸せの見つけ方を。
あの時、君の頭の中にあった「電動歯ブラシの図」は「充電器に立っている電動歯ブラシの図」でさ、「電動歯ブラシ」じゃなかったってことに気付いて欲しかったんだ。
だから、君は見つけられなかったんだよ。
君が探していた「電動歯ブラシ」は、君の目の前にあったんだ。
本当だよ。
なんなら今、洗面所に行ってごらんよ。
なんなら今、洗面所に行ってごらんよ。
君の歯ブラシは、充電器の横にちょこんって立ってるから。
ね?あったでしょ?
「幸せ」も同じなんだ。
君が「君の望む幸せ」と「何か」をくっ付けているから、だからいつまで経っても見つからないんだよ。
キョロキョロして探そうとはしてるけど、見つからないって焦っちゃって、おかしな選択肢ばかりをチョイスしてる。
キョロキョロして探そうとはしてるけど、見つからないって焦っちゃって、おかしな選択肢ばかりをチョイスしてる。
でもね、君の望む本当の幸せって、本当はいつでも君の目の前にあるんだよ。
君が「君の望む幸せ」を見つけられないのはさ、それを思い浮かべていないからなんだよ。
君が「君の望む幸せ」を見つけられないのはさ、それを思い浮かべていないからなんだよ。
それさえ分かっちゃえば、簡単に見つけられるんだ。
さあ。
じゃあ、ゲームを始めるよ。
じゃあ、ゲームを始めるよ。
君が「君の望む本当の幸せ」を見つけるまで、僕は色んなものを隠し続けるね。
何かが急に無くなって、困ったな~って思った時は時は、この「電動歯ブラシ」のことを思い出して。
そして、「ああ、これはゲームなんだ」って、僕のことを思い出して。
大丈夫さ。
僕は、これから色んなものを隠し続けるけど、君を絶対に傷つけたりなんかしないから。
僕は君で、君は僕。
僕は、これから色んなものを隠し続けるけど、君を絶対に傷つけたりなんかしないから。
僕は君で、君は僕。
僕は君が大好きなんだから。
だからさ、深呼吸をして焦らずに。
ゆっくりと探してみてよ。
ゆっくりと探してみてよ。
さ、洗面所に行って、歯磨きしよ。
ピポ
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