僕、君に云ったよね?
「どんな世界を創造しようか」って、云ったよね?!
でも君は、ずーーーーっと同じ世界を創造してばかりじゃない! あいつに言われた嫌な言葉とかさ、あの時の場面とかさ、あの時のあいつの顔とか! しかも、過去や未来にまで勝手にいっちゃって、否定的な世界ばーーーーーっかり集めてきちゃってさ! あ、今も! それだよ、それ。 いま君の頭の中に浮かんでるその光景! もう。その光景を見るたびに、僕はずーーーーっと叫びっぱなしなんだから! 「え?!なんで?!」「えーーーー、 また?!」「そうじゃないって!」って、僕は君に、なんども何度も云ってたんだよ?! なのに君は、全く僕にお構いなし。どうして否定的で消極的な世界集めに熱中しちゃうんだよ! これじゃ、ずーーーーっと同じ世界を堂々巡りしているだけじゃないか!
はあ、はあ、はあ…………。
ああ……、疲れた。
……。
ごめん、ちょっと云いすぎちゃった。
そうだよね。
僕の云ってること、良くわからないよね。
君と僕は、ちょっと前に繋がったばかりだもんね。
こうやって君と話せるようになったから、僕、ちょっと先走っちゃった。
ごめんね。
あのね。
体を持たないこの僕が、君に言葉を伝えられるのは、この場所しかないんだ。
でもね、僕はいつでも君と話がしたい。
だって、君といつも一緒にいてさ、2人で一緒に、この世界を創造しているんだよ。
僕にだって、云いたいことのひとつやふたつ……、
ううん。
みっつもよっつも、とにかく沢山あるんだ。
だから、僕はいつも君に話しかけてるの。
君が何かを思うたび、僕はワクワクしたり、イライラしたりする。
ドーンと沈んだり、ルンルンしたり。
そうだよ。
君が抱く全ての感情は、僕が君に話しかけている言葉なんだ。
例えばね、君に「何か」が起きたとするでしょ?
そのとき君は、その「何か」に対して「あー、イライラする」って、思ってるでしょ?
君が思ってるって、思ってるでしょ?
違うんだよ。
あれはね、君が「何か」に対してイライラしてるんじゃなくて、僕が君に対してイライラしてるんだ。
「あーー! もう! なんで!」って、君に対して僕が思ってるの。
「違うって、そうじゃないって!」って、僕が懸命に君に伝えようとしてるんだ。
あれが僕の言葉なんだ。
でもさ、そういう時の君って、君が感じている感情をおざなりにするんだよね。
感じているけどさ、そこに注目はしてくれない。
君は、君の目の前で起きた「何か」にばかり注目しちゃう。
そのことばかり思い浮かべて、その「何か」から目を離そうとしないんだ。
僕の言葉が、君に伝わらない。
だからちょっと寂しくなるんだ、僕。
ドーンと暗く沈んじゃうんだ。
だから、お願い。
君が何かを感じたら、その時は僕のことを思い出して。
僕が何かを伝えようとしてるってことを思い出して。
君と僕は、もともとひとつだったってことを思い出して。
君は僕で、僕は君だよ。
君がこの世界を見ているように、僕もこの世界を感じてる。
この世界で体験できることの全てを通して、僕らは僕らのことを知りたいんだ。
そう願って創り上げた世界なんだからさ。
それでね、君にひとつ提案があるんだけど……。
僕は、もっと違う世界も感じてみたいなって思ってる。
ドキドキして、ルンルン気分でいられるような世界を感じてみたい。
君がずっと笑顔でいられて、楽しくいられる世界を見てみたい。
いま君と僕とで見ているこの世界もいいけどさ、でも、もう十分かなって思うんだ。
ねえ、君はどう思う?
いま君が見ているこの世界、まだずっと見ていたい?
ピポ
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